2014年1月9日木曜日

東京都教育委員会 『はだしのゲン』の教育現場からの撤去を求める請願などが退けられました。





本日、1月9日午前。東京都教育委員会は、マンガ『はだしのゲン』の取り扱いをめぐる12本の請願(撤去、除去、排除の請願3本。自由閲覧を求める請願9本)などに対し、「都教育委員会は、『はだしのゲン』について、「教
育現場からの撤去」あるいは「自由閲覧の維持」などを求める請願には、応じることはできません。」との回答(案)を審議し、認めました。
 
 その回答(案)には、「学校図書館にはさまざまな図書館資料が置かれることが必要である」と明記し、都教委としては特定の図書の撤去や閉架措置を指示しないことを示しています。
 しかしながら、「都教育委員会は、学校図書館のあり方を踏まえつつ、校長による図書館資料の選定事務が適切に行われるよう取り組んでゆく」「『はだしのゲン』については、暴力的な表現など、その一部に教育上の配慮が必要な表現がある」とし「読書指導については、児童・生徒の発達段階に応じて適切に行われなければならない。」と記していました。
 
 そして最後に、東京都教育委員会は、「我が国と郷土を愛する態度や、国旗・国歌の意義等について、児童・生徒を正しい理解に導くよう、都立学校や区市町村教育委員会に対して指導・助言を行ってまいります。」と結んでいます。
 教育委員から、「分かりにくい回答案だ」だとの意見が出ましたが、「時間がないので」との木村孟教育委員長の発言でそのまま採択されました。
 つまるところ、都教委は学校図書館から『はだしのゲン』を撤去しないが、学校現場の図書選定や読書指導などが愛国心を育む教育にのっとって”適切”に行われるよう教育現場への介入を示唆した内容にとなっています。
 
 今後、東京都教育委員会のこのような姿勢が、区市町村の教育委員会や学校現場に具体的にどのような形で現れるのか、引き続き注視する必要があります。

                                    請願に対する回答 PDF
   

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